「電力自由化のメリットは何となく分かるけどデメリットには何があるの?」
「新電力会社と契約するときに気を付けなければならないことってあるの?」
電力自由化が普及して、従来の電力会社を使っている人の中には新電力会社への乗り換えを検討している人も多いのではないでしょうか。
確かに電力自由化により、自分でさまざまなサービスの中から得するプランを選択できるようになったので、新電力に乗り換えることで大きなメリットを得られます。
しかし、実は電力自由化によって得られるのはメリットだけではないんです!
メリットに着目するのは良いことですが、デメリットも把握した上で新電力を利用するか決めた方が良いでしょう。
この記事では、電力自由化で見落とされがちなデメリットや勘違いされがちな特徴、そして利用時の注意点を紹介します。
この記事を読んで、電力自由化の知識を少しでも深めておきましょう!
電力自由化の6つのデメリット
電力自由化のメリットはお得になるプランを選べるようになることですが、デメリットにはどんなことがあるのでしょうか。
把握しておくべき電力自由化のデメリットは以下の6つです。
- 解約金が発生する可能性がある
- 自分でプランやサービスを見極める必要がある
- 電気料金が上がる可能性がある
- 紙の請求書や検針票が有料になる
- 一部のマンションやアパートでは契約できないこともある
- オール電化の家庭は料金が上がる可能性がある
電力自由化により新電力会社を利用することになれば、どのようなデメリットがあるのか把握しておくべきです。
メリットに目がいきがちですが、しっかりデメリットにも目を向けて、後悔が少ない選択をしましょう。
解約金が発生する可能性がある
電力自由化により新電力会社を利用するようになると、解約金が発生する可能性があります。
従来の電力会社を利用しているときは、引っ越しをするときに連絡を入れるだけで、解約金が発生することはありません。
そのため、引っ越しのタイミングを気にする必要はなかったのですが、新電力会社の場合は、解約のタイミングを図る必要があるのです。
新電力会社が提供しているサービスの中には、電気料金が安くなる代わりに、一定期間の契約が義務付けられるプランがあります。
プランの契約内容を確認せずに、料金の安さに目を惹かれて契約をしてしまうと、急に引っ越しとなったときに、解約金を払わなければならないということになるかもしれません。
転勤や引っ越しが多い人は、契約プランの解約金の有無を確認しておきましょう。
電力自由化のデメリット1まとめ
- 解約金が発生する可能性がある。
- 解約金の有無を確認しておくと良い。
自分でプランやサービスを見極める必要がある
電力自由化により数多くのプランが登場しているので、どのプランにするのか検討する必要があります。
また、ガスなど他の公共料金や携帯電話などのセット割引も多いので、単純にプランだけでなくサービスで選択する必要もあるのです。
電気業界に詳しい人であれば、さまざまな情報網を駆使して、自分に最適なプランやサービスを選ぶことができるでしょう。
しかし、電気業界に詳しくなく、どこをどう比べたら良いか分からない人にとっては、プランやサービス選びを面倒に感じる人もいるかもしれません。
結婚や子どもが生まれることでライフスタイルが変わることもありますし、電気使用量が多くなることもあるので、常にどのプランがお得になるのか見極める必要があるでしょう。
電力自由化のデメリット2まとめ
- ライフスタイルによって、どのプランやサービスにするのか検討する必要がある。
電気料金が上がる可能性がある
電力自由化により今後電気料金が上がる可能性が考えられます。
電力自由化が始まってまだ数年なので、今は電気料金の安さを掲げて新電力会社間で顧客の争奪戦が繰り広げられている状況です。
電力会社間で電気料金の安さやサービスの充実度をアピールしているため、新電力会社=電気料金が安いと思われがちですが、今後需要と供給のバランスが崩れ、電力会社が優位に立ったときに電気料金を高く設定する会社が増えるかもしれません。
天候や災害、燃料費の高騰により、電気供給のコストが上がってしまうと、一斉に電気料金の底上げが実施されることもあり得るのです。
今はまだ、消費者よりも電力会社の方があふれている段階なので、新電力会社間の競争が激しいですが、ある程度新電力会社への移行が済んでしまうと、その後それぞれの会社がどういった価格戦略を取るのか予想できません。
今の話ではありませんが、2020年の4月までには一度それぞれの家庭が、電気の購入先を決めなければならないことになっているので、今のような安価な料金で電気を供給してもらえるとは思わない方が良いでしょう。
電力自由化のデメリット3まとめ
- 今後電気供給のコストが上がり、電気料金が上がる可能性がある。
紙の請求書や検針票が有料になる
契約した新電力会社によりますが、紙の請求書や検針票の発行が有料になることがあります。
紙の請求書や検針票が有料の場合は、ネットで確認することになるでしょう。
新電力会社は電気料金を安くするために、なるべく運営にかかるコストを抑えようとします。
請求書や検針票を紙で発行して送付するのにコストがかかるので、企業戦略として考えると有料化も納得できるのではないでしょうか。
しかし、請求書や検針票を手元で保管することはできなくなりますが、データで保管することができます。
思い立ったときにすぐ電気利用情報を確認することができるので、便利度は上がるでしょう。
確かに紙媒体の方が料金や使用量を把握しやすいかもしれませんが、アプリやホームページで簡単にデータを見ることができるので、便利と感じる人もいるかもしれないですね。
電力自由化のデメリット4まとめ
- 紙の請求書や検針票が有料になる。
- アプリやホームページでデータを見ることができる。
一部のマンションやアパートでは契約できないこともある
電力自由化により誰もが自由に電力会社を選択できるようになりましたが、住んでいるマンションやアパートによっては、契約できる会社が決まっている場合があります。
管理会社が大口顧客向けの契約をしていると、勝手に電力会社を替えることはできません。
また、高圧一括受電契約をしている場合も同じです。
マンションの規模が大きければ、新電力会社に乗り替えている場合もあるので、もし乗り替えを検討している人は、一度、不動産会社や管理会社に電力プランやサービスの変更ができるのか確認しておきましょう。
どのプランやサービスに変更するのかを決めるのは、電力会社の乗り替えがOKであることを確認してからでも遅くはないですよ。
電力自由化のデメリット5まとめ
- 契約できる会社が決まっている場合があるため、一部のマンションやアパートでは乗り換えできないこともある。
オール電化の家庭は料金が上がる可能性がある
新電力会社に乗り替えるとオール電化の家庭は料金が上がる可能性が高いです。
オール電化向けのプランを新電力会社が展開していない場合が多いので、従来の電力会社でオール電化向けのプランに加入している家庭は必然と料金が高くなります。
電力自由化により、新電力会社への乗り替えが盛んになっていますが、オール電化の家庭は、従来のオール電化プランを継続するか、オール電化向けプランを売りにしている新電力会社に乗り替えをした方が良いでしょう。
いくら料金が安くても使用量が一般の家庭よりも多くなるので、結局電気料金が高くなってしまいます。
そのため、基本料金無料や料金単価が安いという表記を真に受けないようにしてください。
電力自由化のデメリット6まとめ
- オール電化の家庭は料金が上がる可能性がある。
電力自由化の4つの誤解
電力自由化が浸透していますが、同時に根も葉もない噂まで流れているようです。
しかし、実際に新電力会社に乗り替えたことが無い人は、本当かどうかも分からないですよね。
誤解によって不安だけが煽られてしまい、なかなか新電力会社に乗り替えができずにいるという人もいるでしょうから、ここでは、電力自由化に関する誤解について触れていきます。
今回紹介する誤解は以下の4つです。
- 新電力会社に乗り替えると停電が起こりやすくなる?
- 電力会社によって使える家電が変わる?
- 東日本と西日本で利用できる会社が決まっている?
- 新電力会社に乗り替えれば電気料金が安くなる?
先ほど紹介したように、電力自由化にはデメリットもありますが、お得に電気を利用できるようになるという大きなメリットもあります。
いずれ電力会社を選ばなければならなくなるので、電力自由化の事実をしっかり把握して、冷静に電力会社を検討できるようになっておきましょう。
新電力会社に乗り替えると停電が起こりやすくなる?
電力会社を切り替えると途中で送電が止まり、停電するのではないかと不安になっている人が多いようです。
はっきり申しますが、新電力会社に乗り替えたとしても停電することはありません。
確かに発電設備の管理や、セキュリティなどの技術力やノウハウが不十分で、頻繁にトラブルが発生する会社もあります。
しかし、新電力会社がトラブルなどで電気の供給ができなくなっても、バックアップ体制が整っているので停電することがありません。
というのも、政府は市民に電気を安定供給するためのルールを設けたのです。
そのルールとは、新電力会社が市民に電気を供給できなくなったときには、既存の電力会社が不足分を補うというものです。
つまり、新電力会社が何らかのトラブルが起きても、すぐに既存電力会社から電気が供給されるので停電の心配はいりません。
ちなみに、もし新電力会社が既存電力会社から不足分の電気を補ってもらったら、新電力会社はインバランスペナルティーという罰金のようなものを既存電力会社に払わなければなりません。
新電力会社はペナルティーを払わなくて済むように、電気の安定供給に務めるので、新電力会社だからと停電を心配する必要はないですよ。
電力自由化の誤解1まとめ
- バックアップ体制が整っているので、新電力会社に乗り替えたからといって、停電が起こりやすくなることはない。
電力会社によって使える家電が変わる?
電力会社によって使える電気の性質が変わると思い込んでいる人もいます。
確かにそれぞれの電力会社が発電していますが、送電線はどの会社も同じものを利用しているので、電気そのものの質は全て同じです。
冷静に考えてみてください。
新電力会社に乗り替えたところで、冷蔵庫の冷却機能が落ちるはずがありません。
電子レンジの加熱機能が落ちたり、携帯電話の充電速度が遅くなったりしたなんて話を聞いたことがある人はいないのではないでしょうか。
つまり、電力会社を替えたところで使える電気の性質は変わらないので、使える家電が制限されるということはまずありえないのです。
どの電力会社も供給している電気は同じなので、会社選びの際に電気の性質は気にしなくて大丈夫ですよ。
電力自由化の誤解2まとめ
- 送電線はどの会社も同じものを利用しているので、電気の性質は変わらない。
東日本と西日本で利用できる会社が決まっている?
東日本と西日本では電気の周波数が違うので、周波数が異なる地域の電気は使えないと思う人もいるでしょう。
東日本の電気の周波数は50Hz、西日本は60Hzなので、一見お互いの地域の電気は使えないように思うかもしれませんね。
しかし、実際は電気の周波数が違う地域でもサービスが利用できます。
現在各会社は顧客を増やす段階ですので、地域に関係なく会社を選べるようになっているのです。
ただし、規模が小さい新電力会社は、まだ契約できる地域が限定されている場合があります。
そのため、気になる会社があれば、まず自分のエリアでも契約できるのかホームページで確認しておきましょう。
電力自由化の誤解3まとめ
- 東日本と西日本で周波数は違っても、地域に関係なく会社を選べる。
新電力会社に乗り替えれば電気料金が安くなる?
新電力会社に乗り替えれば、電気料金がかなり安くなると思い込んでいる人が多いです。
実際に多くのケースで電気料金が安くなるのですが、電気の使用量によっては電気料金が乗り替え前よりも高くなることがあります。
必ずしも全てのプランが安くなるとは限らないので、一度検針票を片手に新電力会社のホームページで目安の料金を調べておきましょう。
料金シミュレーションをすれば、その新電力会社に乗り替えた後の電気料金を知ることができますよ。
電力自由化の誤解4まとめ
- 必ずしも新電力会社に乗り替えれば電気料金が安くなるとは限らない。
- 料金シュミレーションで、乗り換え後の電気料金を調べると良い。
新電力会社に乗り替え時の5つの注意点
新電力会社に乗り替えるときの注意事項を紹介します。
気を付けるべき点は以下の5つです。
- 電力メーターを交換する必要がある
- 2020年4月までには電力会社を選ばなければならない
- 契約条件を確認しておく
- 詐欺に遭わないようにする
- 問い合わせ先を確認しておく
知識が有るのと無いのとでは、契約後のトラブルの発生率が変わってくるので、しっかり頭に入れておきましょう。
電力メーターを交換する必要がある
新電力会社と契約をすると、スマートメーターという機械を設置する必要があります。
メーターの交換は原則無料で、立ち会いも必要ありません。
スマートメーターの設置が終了すれば、電気が使用できるようになります。
新電力会社に乗り替え時の注意点1まとめ
- スマートメーターを設置する必要がある。
- メーターの交換は原則無料で、立ち会い不要。
2020年4月までには電力会社を選ばなければならない
先ほど軽く紹介しましたが、2020年の4月までに一度契約する電力会社を選ぶ必要があります。
2020年の3月までは、一般の電気会社からこれまで通りの料金で電気を供給してもらえますが、同年4月からは料金の規制が終了するので、会社によって電気料金の差が生まれるでしょう。
今契約している会社を継続するにしても、全ての人がどの電力会社と契約をするのか選ばなければならないことを知っておいてください。
新電力会社に乗り替え時の注意点2まとめ
- 2020年4月までに、電力会社を選ぶ必要がある。
契約条件を確認しておく
新電力会社ごとに契約内容が異なるので、必ず契約内容を確認しておきましょう。
特に解約金が発生するのかは要チェックです。
契約期間がどのくらいなのか、どのタイミングで解約すれば違約金が発生しないのか、など費用が発生する条件は確認しておくことをおすすめします。
新電力会社に乗り替え時の注意点3まとめ
- 必ず契約内容を確認しておくこと。
- 解約金が発生するのかは要チェック。
詐欺に遭わないようにする
新電力会社もかなりの数があり、中には詐欺を目論む悪質な会社もあります。
例えば、4年に1回保安調査の実施が法律で決まっており、通常は一般送配電事業者が担当するので調査費用は無料なのですが、調査費用を請求してくる会社もあります。
もし何かにつけて費用を請求してくる場合は、地域の一般送配電事業者に確認するようにしましょう。
新電力会社に乗り替え時の注意点4まとめ
- 詐欺に遭わないよう気を付けること。
- 調査費用を請求してくる会社には特に注意。
問い合わせ先を確認しておく
停電の心配はしなくても良いのですが、何かトラブルが発生したときのために問い合わせ先を確認しておきましょう。
新電力会社の対応に不安を感じたときは、電力・ガス取引監視等委員会か国民生活センター・消費者ホットラインに相談することをおすすめします。
電気は重要なライフラインなので、トラブルが発生してもスムーズに対応できるように、準備はしておくべきでしょう。
新電力会社に乗り替え時の注意点5まとめ
- 何かトラブルが発生したときのために、問い合わせ先を確認しておくこと。
まとめ
電力自由化によって消費者は自由に新電力会社を選択できるので、自分に最適な料金プランで契約することができます。
しかし、人によっては膨大なプランの中から最適なプランを選択するということがデメリットになることもあります。
また、思ってもいなかったことで費用が発生し、結果出費が増えたということもあるかもしれません。
そのため、「電気料金が安くなるかもしれない」といった安易な考えで乗り替えるのではなく、実際に新電力会社を利用することで、自分はどのくらい得をするのか、どれだけ損をする可能性があるのかを把握した上で、契約をすることをおすすめします。
また、新電力会社と契約する場合は、今回紹介した注意すべき点も意識しておくと良いですよ。
料金シミュレーションで電気料金の目安を調べたり、サービス内容を比べたりして、自分が一番納得のできる電力会社を選びましょう。
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