2016年の電力自由化以降、今まで地域ごとに独占されていた電力が一般小売業者でも販売可能となり、消費者が電力会社を選ぶ時代が到来しました。
電力会社はここ数年でどんどん増えていき、プランにも各社の特色が出てきています。
そんな昨今の時代の流れに乗って、自身にあった電力会社のプランに変更したいという人も多いでしょう。
しかし、実際どのような手続きを踏めば良いのか分からないという人も少なくないはずです。
そこで今回は、電力会社の変更方法について、手続きの流れなどを紹介していきます。
この記事の目次
電力会社を変更する際に必要な情報と確認事項
電力会社の変更手続きをする前に、必要な情報や確認事項を把握しておくとスムーズです。
電力会社変更のために事前に確認しておく必要がある情報は後述の3点で、毎月届く検針票で確認することができます。
電力会社の変更に必要な情報は3つ
電力会社の変更をするために必要な情報は、以下の3点です。
- 現在契約中の電力会社の名称
- 現在契約中の電力会社でのお客様番号
- 供給地点特定番号
それぞれ見ていきましょう。
現在契約中の電力会社の名称
まず必要なのが現在契約している電力会社の会社名です。
電力会社の変更に際して、前の電力会社に連絡をする必要はなく、新しく契約する電力会社が解約処理をしてくれます。
解約処理を行うために、現在契約している電力会社の情報が必要になるわけです。
現在契約中の電力会社でのお客様番号
次に現在契約中の電力会社のお客様番号です。
お客様番号は、電力会社が契約者を特定するために定めている番号のことで、桁数は電力会社によって違いがあります。
基本的には検針票の目立つ部分に記載があるので、確認すればすぐに見つかるでしょう。
検針票を捨ててしまって、番号が分からない場合は、各会社のカスタマーサービス等に連絡すれば、住所などの情報から割り出してくれます。
供給地点特定番号
最後に、供給地点特定番号です。
お客様番号は知っていても、供給地点特定番号は存在すら知らないという人も多いでしょう。
供給地点特定番号はその名の通り、電気の供給地点を特定するための番号です。
電力自由化以前は、大手電力会社がエリアごとに電気を管理していたため、お客様番号のみで情報管理が可能でした。
しかし、電力自由化によって多くの会社が電力市場に参入し、更には全国どこでも契約可能な電力会社も増えてきたため、お客様様番号だけでは情報管理が困難になってしまったのです。
そこで、お客様番号に代わる全国共通の情報管理用番号として生まれたのが、供給地点特定番号になります。
供給地点特定番号は22桁の番号で定められおり、全国の電力会社で共通のものです。
2015年以前の検針票には記載がないため、確認する際は比較的新しいものを利用しましょう。
電力会社の変更に必要な情報まとめ
- 電力会社の変更をするために、「現在契約中の電力会社の名称」・「現在契約中の電力会社でのお客様番号」・「供給地点特定番号」が必要である。
マンションの場合は変更できるかを確認しよう
上記の情報を事前に確認しておくことに併せて、アパートやマンションの場合はそもそも電力会社の変更が可能なのかを管理人等に確認しておきましょう。
基本的には問題なく変更が可能なのですが、まれに物件全体で一括して契約している場合もあります。
その場合、契約者は管理組合なので、個人が自由に電力会社を変更することができません。
注意しましょう。
その他、手続きには氏名や住所、支払い方法をクレジット払いにする場合はクレジットカードの番号などが必要となります。
マンションの場合についてまとめ
- 電力会社の変更が可能なのかを管理人等に確認する。
- 物件全体で一括して契約している場合は電力会社を変更できない。
電力会社変更の手続き方法について
電力会社変更のために必要な情報が分かったところで、電力会社の手続き方法について詳しく見ていきましょう。
基本的には、驚くほど簡単に終了します。
変更の手続きはネットで可能
新電力会社は比較的最近に事業参入してきたこともあり、インターネット上のインフラがしっかり整っています。
よって、ほとんどの会社はネット上で手続きを行うことが可能です。
電話での手続きも用意されていることがほとんどなので、公式サイト等で確認の上、好きな方を選びましょう。
電力会社変更の手続きについてまとめ
- ほとんどの会社はネット上で手続きを行うことが可能。
手続きの流れについて解説
ここからは手続きの流れについて紹介します。
基本的には以下の2ステップで完了するので、とても簡単です。
- 新しく契約する電力会社に申し込む
- スマートメーターの設置
詳しく見ていきましょう。
新しく契約する電力会社に申し込む
まずは新しく契約する電力会社に申し込みをしましょう。
Webサイトの申し込みフォームまたは電話窓口にて電力会社変更の申し込みを行います。
先述しましたが、申し込み時に伝える情報は以下の通りです。
- 氏名
- 郵便番号・住所
- 現在契約中の電力会社の名称
- 現在契約中の電力会社でのお客様番号
- 供給地点特定番号
- 切り替え希望日
- クレジットカードの番号(クレジット払いの場合)
Webにしろ電話にしろ、申込みが完了すると、後日メール等で電力の供給開始日が通知されます。
もし連絡が1週間たっても来ない場合は、申し込み時に不備があった場合があるので、一度確認してみましょう。
スマートメーターの設置
申し込みが完了したら、供給開始日までに電力メーターの交換工事が行われます。
旧型のアナログ式メーターから、スマートメーターに交換されるのです。
スマートメーターは、デジタル式の電力メーターで、電力自由化の少し前から徐々に交換されていっています。
通信機能がついており、遠隔地にデータを送ることができるのが特徴です。
この機能により、検針のためにわざわざ従業員が出向く必要がなく、新電力会社が全国展開できる要因の1つとなっています。
スマートメーターの交換工事には立ち会いの必要がありません。
知らぬ間に電力メーターが交換されると思うと不安な人も多いでしょう。
しかし、現在スマートメーターの100パーセント普及率を目指して、徐々に交換が進められています。
電力会社の変更を機にその機会が早められるだけなので、必要以上に不安になることもないでしょう。
上記の手順の後、供給開始日になると、電力会社が変更されます。
電力会社変更の手続きの流れについてまとめ
- 新しく契約する電力会社に申し込みを行う。
- スマートメーターを設置する(立ち合い不要)。
電力会社を変更する際の注意点
電力会社の変更は先述のように簡単ですが、いくつか注意するべき点があります。
詳しく見ていきましょう。
引っ越しと同時に変更するなら注意
引っ越しに際して電力会社を変更しようと考えている場合は注意が必要です。
会社によっては、引っ越し時の電力会社の変更に対応していない場合があります。
鍵になるのは供給地点特定番号です。
引っ越し前は新居の供給地点特定番号が分からないため、会社によっては申し込みができません。
その場合、一度引っ越し先の地域に対応した大手電力会社を契約し、初月の検針で供給地点特定番号が分かった段階で申し込みをすることになります。
住所から供給地点特定番号を特定してくれる会社もあり、そういった場合であれば引っ越し前の変更が可能です。
引っ越し前の変更を検討しているのであれば、一度変更予定の電力会社に確認してみましょう。
電力会社を変更する際の注意点1まとめ
- 引っ越し時の電力会社の変更に対応していない場合がある。
変更前の電力会社に違約金がないか確認しておこう
電力会社によっては、解約時に違約金が発生する場合があります。
もし違約金があるのに把握していないと、想定外の出費に頭を悩ませることになるかもしれません。
変更時には、現在加入している電力会社に違約金や解約金がないか確認しておきましょう。
電力会社を変更する際の注意点2まとめ
- 解約時に違約金が発生する場合がある。
スマートメーターの工事は無料
電力会社の変更時に行うスマートメーターの交換工事は、基本的に無料です。
もしスマートメーターの交換に手数料が発生している場合は、業者や電力会社が必要以上にマージンを取っている場合があります。
申し込み時にスマートメーターの交換が無料でない場合は、一度疑った方が良いでしょう。
電力会社を変更する際の注意点3まとめ
- スマートメーターの工事は無料。
新電力会社の選び方
電力会社の変更については分かりましたが、いざ変更するとなると、どのように決めれば良いかわからないという人も多いでしょう。
ここからは新電力会社を選ぶ際のポイントについて紹介していきます。
普段の電気使用量にあったプランがあるか確認
電力会社のプランは、ほとんどの場合使用電力によって値段が変化します。
プランによって、
- たくさん電気を使う場合にお得になるもの
- 一人暮らしなど消費電力が少ないとお得になるもの
などがあり、自身の使用電力に合わせたものを選ぶことで、効果的に電気を使うことが可能です。
電力会社を選ぶ際には、普段の使用電力を検針票から把握しておくと良いでしょう。
新電力会社の選び方1まとめ
- 普段の使用電力に合わせたものを選ぶ。
特典が自身にとって有益か考える
新電力会社には、電力以外の特典が付いているものがあります。
代表的なのがauでんきやソフトバンクでんきなど、携帯会社が打ち出している電力です。
上記のようなものは携帯電話やインターネットルーターと抱き合わせで契約することで、総合的に見るとお得になります。
また、昭和シェルなどの石油会社が打ち出すものでは、ガゾリンがお得になったりといった特典があり、普段車やバイクを多用する人にとってはお得です。
もし特典がある電力会社と契約するのであれば、自身の環境にあったものを選びましょう。
新電力会社の選び方2まとめ
- 電力以外の特典が、自身にとって有益か考える。
解約時に違約金がないかチェック
変更先の電力会社に解約金や違約金がある場合、注意が必要です。
もし今後、より良い電力会社が出てきた場合、変更の弊害となってしまいます。
先のことも考えると、よほど魅力的でない限りは契約を踏みとどまった方が良いでしょう。
新電力会社の選び方3まとめ
- 解約時に違約金がないかをチェックする。
支払い方法について確認しておく
新電力会社には、支払い方法がクレジットカードのみの会社もあります。
当たり前ですが、そのような場合はクレジットカードが無いと契約できません。
注意しましょう。
新電力会社の選び方4まとめ
- 支払い方法を確認する。
電力会社の変更についてのまとめ
電力会社の変更方法や、電力会社の選び方についてお話ししてきました。
電力会社の変更手続きはとても簡単で、申し込んでしまえば知らぬ間に交換が終了してしまいます。
電力会社を選ぶ際には、各会社のプランを比較して、自身の生活リズムにあったものを選びましょう。
電気をはじめとする公共料金は、継続的に支払っていくものです。
電力会社の変更によって月々の負担を減らせば、ちょっと良い生活が堪能できるかもしれません。
先のことも考えて、一度電力会社の変更を検討してみましょう。
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